202301 バードウォッチング@三ツ池公園・横浜市/AI処理凄すぎ の事 (※202305追記あり)
<カワセミ>
※追記
2023年5月にLightroomにAIノイズ除去が搭載されました。
個人的な画像処理の手順も変わりましたので以下をご参照ください。
2023年1月
M6 MarkIIで野鳥撮影を本格的に初めてから一年。かねてより気になっていた、鳥認識AFを積んだカメラを導入することにしました。
色々検討した結果、CANON EOS R10を選択しました。
レンズはEF-EOS Rアダプター経由でSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary。さらに1.4倍テレコンのSIGMA TELE CONVERTER TC-1401という構成です。
最大焦点距離は、600mm×APSCの1.6×テレコン1.4=1344mmになります。
R10のAFの素晴らしさについては、前回のエントリーでつらつら書いております。
本当に凄いので、是非一度店頭等でお試しください。
私はヨドバシカメラで数m先に置いたスマホの画面の豆粒のように小さな鳥の写真に瞳認識したのを見て購入を決意しました。
ちなみに、先日水族館で試しましたが、魚もかなりの確度で認識します。驚きです。
また、超望遠撮影ではどうしても高ISOにならざるを得ません。焦点距離を稼げるのでAPSCセンサーを選べば、さらにノイズ問題はのしかかってきます。
それを大いに解消してくれるのが、AI技術を用いたノイズ除去ソフトです。
私はTOPAZ社のDENOISE AI(以下DA)を購入しました。
それまでは、頑張ってもISO3200がノイズ的に限度だったものが、ISO6400でも十分に。夜景など条件次第ではISO12800でもOKになりました。ノイズを除去すると同時に、適宜シャープネスを強化し、細部のディテールをアップしてくれます。
先日バージョンアップがあり、さらに精度・安定度が増しました。おすすめです。
DAには、5つのノイズ除去モードがあります。
ざっくり見ると、
1. Standard(以下S)
標準的なノイズ除去。
CANON APSCの場合は低ISOからISO3200ぐらいまでの様々な画像にオールマイティに使える。
2. Clear(以下C)
花、水面、人肌用に最適化されている。
Sに似るが、ノイズ除去は抑えめで、ディテールがややアップしている。
3. Low Light(以下L)
低照度(暗い環境)用。
Sよりもノイズ除去能力は落ちるが、被写体以外がなめらかになり、被写体のエッジがよりシャープになりディテールが増す(鳥に向いている)。
4. Severe Noise(以下SN)
一番ノイズ除去効果が高い。シャープネスはかなり抑えめ。
CANON APSCの場合、ISO6400以上の場合にまず使用する。
となります。
上記の4つとは少し趣が異なるのが、最後の「RAW」モードです。
こちらはRAW画像専用モードで、Lightroomなどで補正する前に、RAW画像を読み込んでまずノイズ除去を行うものです。オリジナルのRAWファイルとは別に、汎用のDNGファイルとして保存されます。
RAW画像からカメラ情報などを読み込んで最適化を行うので、ノイズ除去性能は上の4つより優れています。
ただ、DNGファイルはオリジナルのRAWファイルよりサイズが10倍くらいなったり、Lightroomに取り込むとカメラプロファイルが適用されなかったりするのでちょっと使いみちに困るモードです。
今後のバージョンアップでオリジナルRAW画像で保存できるようになるとよいのですが。
それぞれのモードで、ノイズ除去とシャープネス強化を手動で設定することも出来ます。
基本的には稲妻のスイッチをオンにして、AIまかせのオート設定でOKです。よりパリッとさせたい場合はシャープを100にしたりしますが、それよりも重ねがけのほうが効果があるように見えます。
さらに元の画像のディテール、カラーノイズの復元を手動で設定することも出来ます。こちらはいまいち効果が見られません。とりあえずもとの設定のままで良さそうです。
その後、いろいろ試行錯誤した結果、ワークフローとしては、
1. 写真をLightroom Classic(以下LR)に読み込む。
2. 写真をLR上でレーティングして不要なものを削除。
3. LRのディテールではシャープ、輝度ノイズは補正しない。カラーノイズについては後の補正に支障があるので、初期設定のものを加える。
4. LR上で色調他の画像補正、トリミングを行う。
5. 補正の終わった画像を選択し、LRの「他のツールで編集」メニューからDENOISE AIを選ぶ。
6. DAに読み込む際は「Lightroom調整でコピーを編集」。ファイルオプションは「JPEG・ProPhoto RGB」を選ぶ。
7. DAでノイズ除去して作業終了。
という感じになりました。
同時に複数枚をDAに送り一斉処理することも出来ます。
本来、LRからDAに読み込むファイルはTIFFやPSDの方が画質のロスが無くて良いのですが、ファイルサイズがオリジナルのRAWから大きく増えてしまうのでJPEGにしています。
JPEGの最高画質(最低圧縮)なら誤差の範囲ですが、何度も保存を繰り返すと画質は落ちてしまいます。正確には、「可逆圧縮と非可逆圧縮」でご検索ください。
DA上での作業は、基本的にはStandard一回でいい感じに違和感なく仕上げてくれます。
野鳥の羽毛などのディテールを強調したい場合は、上記に加えて更にLを重ねがけするとぱりっと仕上がります。
ただ、背景に込み入った枝などが入ると、そちらにもシャープがかかって少し違和感が出ることもあります。その辺はプレビューで事前にチェックして加減します。
現時点の設定は、
1. ノイズが少ない景色などはSかC一回。
2. ノイズが少ない野鳥などは、SかC一回の後にL一回を重ねがけ。
3. 高ノイズの野鳥で、背景がビジーで厳しい場合は、SN一回でノイズをならし、L一回でディテールアップ。
4. 高ノイズの野鳥で、背景がシンプルで条件が良い場合は、SN一回でノイズをならし、SかC一回にL一回を重ねがけして更にディテールアップ。
5. 星景などノイズを残さないと違和感が出るものは、LR上で輝度・カラーノイズを40%ぐらいかけて、DA上でSかL。
水中の場合も同じような感じです。鳥ほどノイズ的にはシビアではないので重ねがけはいらないことが多いです。
Lだと鱗の質感がのっぺりすることがあるので、SかCにしています。
ということで、お正月から三ツ池公園へテスト撮影に赴きました。
三ツ池公園は横浜市鶴見区にある県立公園です。その名の通り、3つの池を中心に、スポーツ施設や広場、庭園があります。広さは30ha(東京ドーム6個強)ほど。ちょっとした森林もあります。
日本のさくらの名所100選にも選ばれていて、花見の季節は大混雑します。通常期でもそこそこ賑わう都市公園です。私も昔からちょくちょくお邪魔していました。
去年はルリビタキが出てきてくれたのですが、今年はまだ現れていません。
コロナが収まりつつあるので、人出が多いことや、森が手入れされ、下生えなどがすべて伐採されてしまったためかもしれません。
場 所:横浜市鶴見区・三ツ池公園
日 時:2023/01〜
機 材:Canon EOS R10
CANON マウントアダプター EF-EOS R
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary
SIGMA TELE CONVERTER TC-1401
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flickrアルバム:20220101- Walking & Bird watching @ MITSUIKE Park
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<カワラバト>
1stショットはカワラバト。
こういう状況ならどんなカメラでも問題なしですが。
<Skymark>
上空を飛行機が通過。もちろん乗り物AFもあります。
この場合は動物認識のままでしたが普通に追尾していました。
<カルガモ>
カルガモの眼にピントが行っています。
<オオバン>
逆光だとちょっとAFが迷うこともあります。
<ヤマガラ>
水場のヤマガラ。
早朝の日陰ということで、相当暗い環境です。ISO6400で本来はかなりノイジーでした。
そこそこ見られるようになるのはDAのお陰です。
<ヤマガラ>
暗い下生えの草越しでも、R10のAFは鳥を認識してくれます。
これもつまりAIによる被写体認識ですね。
<ハシビロガモ♀>
激しく羽ばたくハシビロガモ♀。
<アオサギ>
突然飛び立つアオサギ。
大きな鳥なら、とっさにレンズを向けてもわりとちゃんとAFが追従してくれます。
<アオサギ>
ただ最大ズームでは近すぎました。
<アオサギ>
こんな状態でもAFがついて行くのは逆に凄いような気もします。
<マガモ♂>
マガモのパタパタ。
<マガモ♂>
犬神家。
<マガモ♂>
メタリックな羽根の質感が凄いです。
<マガモ♀>
キラキラパタパタ。
<カワラバト>
こっち見んな。
<メジロ>
メジロの羽根の質感もよく出ています。
R10とSIGMAの力もありますが、どちらかというとDAのLのお陰です。
<メジロ>
こっち見んな。
<月>
手持ちで昼の月。
LR上でディテールをガンと上げて、DAでノイズ除去&シャープネスしています。
<カワセミ>
ISO6400のカワセミ。
元画像のノイズはなかなかのものですが、DA上でSN→S→Lでこの仕上がりになります。
<カワセミ>
ISO8000の飛び出し。
前回のエントリーで解説した、R10のプリ撮影機能のお陰で比較的楽に撮れます。
<カワセミ>
カワセミのためにあるような機能です。
<カワセミ>
ブルーギルの幼魚をゲットしたようです。
<カワセミ>
この飛び出しもプリ連射です。
<カワセミ>
ISO12800のカワセミ。
AIはここまでやっちゃうの?!と驚愕してしまいました。
<エナガ>
ISO10000のエナガ。
素早いエナガかつ曇りで薄暗い状況でもAFは相当がんばります。
<アオジ>
ISO6400のアオジ。
<ヒヨドリ>
ISO12800のヒヨドリ。
正直、今までの苦労は何だったんだ!と思わなくもない凄さです。
ということで三ツ池でのテスト撮影は終了です。
重ねて、TOPAZ DenoiseAIは凄いです。R10のコスパも高すぎです。
この後も毎週のように山や公園にでかけて鳥を探しております。
コミミズクやヒレンジャク、ベニマシコ、ルリビタキなど、今年はなにかと豊作のようです。
その辺はブログでは後ほど。
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